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           預貯金を家族に名義変更すると 贈与税がかかるのか?   
家族名義の預金が政治で問題になっています。「家族名義にしたんだから贈与税だろ!」。
    ・・・政治家には特殊事情があるのでしょう。ここでは一般人の場合についてみてみましょう。

贈与税法という法律はありません。贈与税は相続税法で定められている税金です。相続税法基本
通達9−9で名義変更での贈与税課税を定めています。


『不動産、株式等名義の変更があった場合において対価の授受が行われて
いないとき又は他の者の名義で新たに不動産、株式等を取得した場合におい
てはこれらの行為は原則として贈与として取り扱うものとする』


注意すべきは「不動産、株式等」について定めているということです。「預貯金」は含まれていま
せん。「預貯金の名義の変更」「他の者の名義で預金をした場合」は「原則として贈与」となるとは
書かれていません。



他人名義の預金や名義変更

  銀行で預貯金名義変更や家族名義預金がされたからといって、税務署には分かりませんし、
  いちいち調べることもできません。

  預貯金については名義変更等が「贈与」なのか「名義借り」なのか、その実質で判断することに
  しているのです。それは税務署のためでもあるのです。

  
  税務署にとって「贈与」と決めてしまうと困ったことが生じるからです。
  10年前に1億円の預金を夫から妻に名義変更しました。そして、その夫が亡くなり相続税の税務調査とな
  ります。

  家族名義にした時に贈与税課税との扱いだったとしましょう。

  昔の1億円の資金移動に気付いた税務署の調査官が「この1億円は何ですか?」。妻は「名義変更は
  贈与になるそうですね。だから贈与なんでしょう。知らなかったので贈与税の申告はしていませんでした。
  ご免なさい。」贈与税は時効になっているので、これで終わってしまいます。


  税務署は課税できません。預貯金の名義変更を「贈与」と決めてしまうと、この場合は税務署の負けに
  なってしまうのです。

  そこで預貯金の名義変更について実質が「贈与」なのか、「名義借り」なのかで判断することにしました。
  そうすることで「妻名義になっていても実質は夫の預金」と主張できます。

  「この1億円は何ですか。」妻は「贈与です。贈与税の申告をしたくとも、贈与税時効です。」
  しかし税務署側は切り返せます。「贈与税申告をしていないし、色々な状況から見て、贈与ではないで
  すね。ご主人の預金名義を奥さんに移しただけの名義貸しじゃないんですか?だから贈与ではなく、
  実質はご主人の預金のまま。相続税申告漏れですから修正申告をして下さい。」


  これは「名義預金」といわれて相続税の税務調査で絶えず問題になるポイントです。
  

贈与のつもりでも名義預金

  こんな事例があります。
  ある親が子4人に毎年60万円(当時の贈与税非課税枠は年60万円)の贈与を続けます。子には「毎年60
  万円ずつやる」と伝えます。親は当然に「贈与」のつもりだったのでしょう。

  一人当たり1000万円、合計4000万円にもなりました。そこで親が亡くなり相続税調査です。
  税務署側は、これは贈与ではなく名義預金だといいます。親が預金通帳を管理運営し親の印鑑で出入金
  をしていたからです。

  「贈与税がかからないよう。その非課税限度額内で預金を続けたが、その管理、運営、及び払い戻しについ
  ては、すべて自らの判断で行っていたものであり、一方、子はその名義が使用されたほかは預金の形成、
  管理、運営又は使用に関与することはなかった・・・(平成2年3月30日名古屋地裁判決)。」として、贈与では
  なく名義預金として相続税が課税されてしまいました。贈与にするには注意が必要なのです。

  なお、税務署は贈与税時効となる昔のお金の動きだから「贈与税じゃない」というのです。3年前の贈与税は
  時効ではありません。もし3年前なら「贈与税です」と言うかもしれませんよ。